2月2日(日)に「学校に着ていく服」ロードマップづくりのワークショップをはまこら(浜松市市民協働センター)で開催しました。
まずは団長夏目から、説明です。
昨年度から始まった浜松市立中学校における「学校に着ていく服」のあり方検討委員会では、子どもの人権の尊重や制服へのニーズ等をふまえて、生徒たちが、多様な選択肢から自分で学校に着ていく服を選べる環境づくりをどう各学校にインストールしていくか!ということを模索していて、そのためのロードマップづくりをしようとしています。
これまでの委員会ではこんなことが確認されてきました。
・検討の必要性の根拠(条約・法律・アンケート・経済的負担等)
・「学校に着ていく服」とは、登下校や教育活動の場において生徒個人が選択・着用する服装のこと
・生徒が選択するなら心理的安全性の確保が前提
・制服ではなく「学校に着ていく服」について各学校で方針を定める
・「学校に着ていく服」にすることの理念・方向性
・各学校で導入するためにロードマップをつくる 等々
★自分で考えて選ぶ。他人から強制されない。
★尊重されてる感
その方向性のために、何から手をつけていいのやら・・・ということでロードマップが必要という説明でした。
さて、いきなりロードマップというのもキビしいので、まずは、この3つの方向性を実現するために、何が障壁になってるかを出し合うことにしました。
なにが障壁?
1.親系
色気づく/ハブられたくない/私服になっちゃったらどーすんの!/高いスポーツブランド買わされる/成長につれ服が荷物に/親に自信がない/冠婚葬祭で着る服がない/正解を探す人が難民化/OB・OGの反対
2・地域のオトナ系
「社会とは我慢だ」/「決まりだから」/どこの子かわからなくなる/「きちんとしろ」教/その場で注意しないオトナ/学校にTELする地域の人/地域の理解がない/子どもの学年が分からなくなる
3.学校・先生系
「子どもはしつけの対象」/「着崩すのは悪」/前例踏襲主義/カンニングできるようになる/「大人になったら困るよ」/「がまんする体験は大事」/仕事を増やすな/管理しにくくなる/始業式などの行事のときの正装はどうする!?/教職員の理解/「受験の時困るよ」/先生からの「こうすべき」の圧/TPO/中学生らしさとは、の先生の圧・空気/体育の時の安全性/県・市教育委員会からの方針がない/県によって許容範囲が異なる/乱れる/私服になると学校が荒れる/校長先生の理解がない/権利と義務がセットになってしまっている/情報公開されない・伝えない/特攻服はダメ・露出はダメ等の校則が逆に増えるかも/どこの学校かわからなくなる/学校によって違う
4.販売店系
指定の服であること/数十年続くデザイン/注文用紙やマネキンの出し方/地域の販売店の理解不足/制服業者と先生のしがらみ&強力な協力関係/制服業者がつぶれるのでは
5.そのほか
縦割り行政の責任/包括的性教育不足/更衣室がない/制服の下に体操服を着る文化/文化としての制服がなくなってしまう(アニメとかで制服でのイメージ共有できなくなる)/貧富の差が顕著になる/学生らしさが消える/同調圧力/学生らしさが消える/中学生らしさ/子どもには人権がないと思っている/浮きたくない、同じが良い/マイノリティについて想像したこともない/男らしさ・女らしさ/ジェンダーバイアス圧力/「そんな生徒うちにはいない」/自分と同じだと思いがち/私服が汚れてしまうと考えて着てこない
こんなに沢山・・!!
こういうことって話していくと芋づる式にどんどん出てきます。
出てきすぎてあっという間に時間が経ってしまいます。
しかし限りある時間でロードマップの種はできるのか!?
そこで、慌ててそれぞれのカテゴリーごとに、障壁をうちやぶる解決策を出していきました。
解決策は?
1.親系
・5年生ぐらいから「学校に着ていく服」の授業をする
・補助金を出す
2・地域のオトナ系
・地域の方の研修をする
・「子ども人権キャラバン」が各地域をまわる
・「カジュアルデー」を地域に知らせる
・回覧板で自由服の日を知らせる
・個別事例で考える(?)
3.学校・先生系
・子どもの人権についての研修を先生たちにする
・「ダメです」とだけ言わない(おしつけが×)
・人権を守る第3者のポストをつくる
・同調圧力について学ぶ授業/同調圧力についての探究学習
・ファッションショーをやる(地域や親も、かつての制服を持ち寄る)
・博物館企画「はみだし制服今昔物語」
・小学校の「生活」の時間で扱う・子ども自身が考える機会をもつ
5.そのほか
・包括的性教育をする
6.教育委員会など
・ロードマップをつくり管理
・「学校に着ていく服」推進員を設置して各学校と連携
・各学校に配置する「学校に着ていく服」推進員をまとめてロードマップをチェック
・激★人権研修
・校長会の研修
はい!ここでタイムアウト~!!
ぜんぜん時間が足りませんでした。解決策もまだまだたくさん出そうだったし、何より「ロードマップ」と言っているのに、その道すじについては全然話し合うことができませんでした。
それでも!
やってみて沢山の発見がありました。
高校生からは「同調圧力はよくないよ」という教え方は嫌だという話がありました。どんな考え方であっても結論を先に言って子どもに押し付けるのではなく、どう思うかを委ねてほしい、という意味だと捉えました。
それから、ファッションショーを地域の人たちとやったり、各地域の大人に人権意識を広めるための「子ども人権キャラバン」、それから何より、「推進員が教育委員会または各学校に配置される」ことで、各学校ごとに異なる推進状況を全体で押し上げて行けるかもと思いました。
今回は大人と高校生が半々ぐらいの参加でしたが、世代が異なると感じ方も違います。ぜひ大人たちには生徒と一緒にやってみてもらいたいなと思いました。ワークショップ自体も各学校でやってみるのも面白いかもしれないですね。


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