2024年5月7日火曜日

中学生のみなさんへ



 ここに、花見団子があります。

いや、花見団子だけど、もともと3つあったのに、2つしかない。1つ足りない。

食べようと思っていたのに、家族の誰かが食べちゃったのかも!?

そんなとき、あなたは聞きます。「食べたかったのに!なんで1つ欠けてるのっ?」

すると家族がこう答えるかもしれません。「小腹が空いちゃって・・。でも、あと2つ残っているからいいじゃん」

あなた「1つ欠けているのは嫌なんだよ。食べるなら1本まるまる食べて!」

家族「そうします(笑)」

架空の話です。

でも、この会話であなたは自分の思いを伝えられて、相手の考えも聞きつつ、いちおう次回の対策が提示されています。

これが、中学校の制服だったらどうでしょうか。

これを書いている団長夏目は親の立場なので、入学時に高額なことにとても負担を感じました。更に入学後にはほとんど着られないことに無駄を感じました。

そこで制服のリサイクルを始めました。そのリサイクルを進める内により多くの問いを持ちました。

制服は中学生にとって、とても身近なものです。以下のような問いを持つことはごく自然なことだと思います。

なぜ中学生は制服を着る必要があるんだろう?

そもそも制服って何のためにあるの?

なぜ全員同じ服なの?

なぜ暑くても寒くても同じ服装を着なければならないのかな?

制服はとても身近で毎日関わるものなのに、それらの問いを、誰に、どうやって伝えることができるでしょうか。そもそも言う機会がないし、言いやすい雰囲気ではないかもしれません。

たとえ聞けたとしても、こんな会話になるはずです。

Q.「なぜこんな重い制服を毎日着なければいけないんですか?」

A.「決まりだからです」

・・・以上おわり。

さて、団子の会話にはいくつかの大事なポイントがあります。

-花見団子を食べたかった!というあなたの気持ちを相手に伝えていること。

-なぜ団子が1つ欠けているかという問いに、相手が答えてくれていること。

-2つあればいいと思っていたという、相手の考えを聞いていること。

-自分が何が嫌なのかを伝えていること。

-会話を受けて、次はどうするか、話題にされていること。(結果は微妙だけど。)

そう、自分にとって大事なことは、団子であっても、制服であっても、どんなことであっても、「決まりだから」で終わりにせずに、こうしてお互い尊重しあって話し合うことができたらいいと思うのです。

中学校の総合学習の時間は団長夏目が自分の問いを周りに伝え、仲間をつくり、進みたいミライに向かっていく道のりのお話をします。

もう一つみなさんにお伝えしたいこと、

特に子どもの場合は、親の庇護下にあるために、親や大人のいうことが、自分の気持ちより尊重されなければいけないと思いがちです。

でも、それはちがいます。

国の法律よりも格上の決まりである「子どもの権利条約」では、子どもたちが「意見をあらわす権利」や「子どもに関するものごとは子どもにとっての最善を考える」「表現の自由」などが定められています。(子どもの権利条約

日本では30年も前に条約国になったのですが、子どものそうした権利が守られてきたかというと・・・どうでしょうか??

しかし!約30年の時を経た今!

去年から、条約をきちんと推進するための「子ども基本法」がスタートしたのです!(オソッ!)

どんな決まりごとも、子どもの権利条約の精神にのっとって作られた、この法律のもと作らなければいけないことになっています。

だから、あなたは法律に守られて堂々と、そして気軽に意見は言ってもいいし、話し合ってみたらいいと思います。(意見を通すのとは意味が違います)

もちろん、意見がなくても、困ったことがあったら「困った」と伝えてみるのも歓迎されます。

万一受け止めてもらえなかったら、法律を知らない人だったということなので、次の大人に伝えてください。キリカエダイジ

現に浜松市も子ども向けに市長へのご意見箱を開けているんですよ!

「団子が1つ欠けてる!」、そんな気軽さで、自分たちのミライを暮らしやすくするために、自分の身近で思ったことを伝えてみませんか?

ミライ制服すすめ団

https://linktr.ee/mirai.susumedan?fbclid=IwAR3x1_kx1d6C-P4e6DpUz-eVpV2kUbflK7y-MJU63wmO5pSuPPGkhp85F6c

2024年4月17日水曜日

はままつ人づくり未来プラン

今期のはままつ人づくり未来プランのチラシが配布されている。

キーワードは「市民協働」「自分らしさ」「キャリア教育」、とみた。

「はままつ人づくり未来プラン」で検索すると、市のホームページで具体的に何をするのかが書いてあった。ふむふむ。

「市民協働」はコミュニティスクールや、市内の人材を活用した講座の開催のこと。
「自分らしさ」は夢を持ったり自分のよさをしっていたりそれを活かすこと。
「キャリア教育」は何かを実現するための自分なりのみちすじをつけられる視点の育成。

だそうだ。

でもさ、「自分らしさ」の前に、どんな良さもない自分でもまるごと「生きていていい」と思える「人権」の記述がぜひともほしいなー。
人権ということばは、施策には存在するもののあまり前面に出てきてはいない。

教育という「育てる」「成果が必要」という性質の分野には、まずそこにいる子どもを受け入れるということは、性質的に相容れないのかな。・・なんて、そんな悠長なことは言ってられない。若者がたくさん亡くなっている。

浜松市の人権センターはこれまであまり活発ではない印象で、去年の教員研修も、虐待や体罰の研修だけだったと思う。どんなに児童生徒が良くない言動をしていたり、良くなろうと思ってなくても、そこにはまず人権があって、意見をいう機会を与えられるということは研修されていない。生徒にも先生にも必要な研修だと思う。

こんな意見をわーわー言える場としての、自由参加の「市民協働」の場もあったらいいなー。市民協働は、いってみれば「ごった煮」を受け入れる勇気でもあるからね。

それから、浜松の子ども計画とも連動させないと。子どもは縦割りにはできない。

浜松市ホームページで「はままつ人づくり未来プラン」、読んでみて!

#制服 #中学生 #中学校 #小学校#浜松市立中学校 #浜松市 #教育 #性の多様性 #校則 #不登校 #リユース制服 #中古制服 #はままつ人づくり未来プラン #はままつ人づくりネットワークセンター 

2024年4月14日日曜日

市長への子どもご意見箱

昨年4月に施行された 子ども基本法では子どもの声を聞くことが不可欠ということになっているんだけど、施行後も浜松市では特に子どもの権利についての施策はあたらしく発表されてこなかったと思う。
今回 、市長へのご意見箱が子ども用に設置されるという動きがあったというのは嬉しいニュース!
本当は浜松市の子ども計画をしっかり作る必要があると思うけど、丁寧に仕組みを作りながら、とりあえず市長へのご意見箱で窓口が開いているのは今までより良いことだよね。
でも、使っていかないと意味がないので、みんな思ったことはなんでも意見を伝えてみてね!と大人が伝えてね!(これって子どもたちにどう周知されるんだろう?学校にチラシ配布とか?誰か知ってたり目撃してたりしたら教えてください)

記事

2024年3月31日日曜日

公式議事録とアンケート結果公開!

浜松市教育委員会から、第二回浜松市立中学における制服のあり方検討委員会の公式議事録が公開されました!

浜松市立中学校における制服のあり方検討委員会

今回は、議事録だけでなく、9月に行われた大規模なアンケートの結果も公開されていて、とても内容の濃い更新となっています。

「制服は社会の厳しさを体験するために必要なものだよね!」
「制服なくていいよね!」
「ジャージで過ごせば良くない?」

制服に対する思いを聞いてると、みんな自分のように思っていると思い込んでいることがすごく多いです。

そんな貴方にぜひ!アンケートの結果をみてほしいと思います。 

ただ、数字では表せないこんな言葉も多かった。

「制服はあってもいい、でも選べるほうがいい」
「制服がなくてもいい、でも式典ではほしい」

どちらか一方、というのではない、複雑な意見がとても多かったと感じます。

自由記述は9000件近く集まったので、読みにくいかどうかは別にして、アンケートは資料として全て公開されると良いのですが、ピックアップされているだけなのが残念なところです。

第二回の検討委員会で提案された、「わかりやすく検討委員会ではなされた内容を紹介するおたより」も早速第一号が公開されました。

これはデータだけでなく各家庭に配布されたり、教室に掲示されたりするといいなと思います。

教育委員会の何か変えたいという気持ちが現れている今回の検討委員会の内容は、全国的に見てもかなり革新的!
「思ったより活発で、色々な角度からの意見が交わされていてとても勉強になりました」とあるLINEのオープンチャットで話題になっていました。

ぜひ読んでみて、誰かと話してみてくださいね!

2024年1月22日月曜日

第2回制服のあり方検討委員会のモヤモヤ

 前編後編と分けてレポートしましたが、いかがだったでしょうか。

こちらは公式な議事録ではないので、公式な議事録が出たらまたチェックしてみてください。もっと詳しく、そして正しい内容で読めると思います。

さて、その後、さまざまなメディアが検討委員会で公表されたアンケート結果について報じました

委員会が終わったときはいい方向に行きそうでよかった!と思っていたのだけど、それらを読んだら、委員会で有識者たち話したことは全く掲載されておらず、とっても残念で、その後2日間ぐらい寝込んでいました(アンケート9000件を毎晩徹夜して読んでいたせいもある)。

さて、冷静になって第2回の検討委員会を受けてモヤモヤしていることを書き出してみます。

1.第一回の検討委員会で「マイノリティの声を拾う」ことが確認されたにもかかわらず、マイノリティの声とマジョリティの声と混ぜてまとめられていた。

2.マイノリティの声はすべて取り上げるべきだと思った。(私はそのリストを作って持っているけれど、資料には載っていなかった=なかったことになってしまった)

3.アンケート結果は、すべて回答者に還元されるべきではないか。自由記述も含めてすべて。なぜ公開しないのだろう。

4.保護者アンケートは翻訳が付いていたのに、児童生徒には翻訳版がなかったという。児童のアンケート回答に「にほんご」としか書かれていない記述があったことを、もっと重くみるべきだったと思う。

5.各学校に委ねたら、統一制服はできないと思うのだけど、その意見に対する奥家部長の回答をメモしそびれてしまった。誰か教えてほしい!

6.ほとんどの委員が事務局の概要版アンケートをもとに意見を出していたので、やはりマイノリティの意見がないことになってしまった。

7.アンケートをすべて読んでも、制服が学校のアイデンティティを表すという記述はほとんどみられなかった(5人以下)のに、依然制服が学校のアイデンティティを表すという意見が出てしまった。

8.社会に出たときに恥ずかしくないようにするより、自尊心が先だと思った。社会は彼らが作るものだから。周りに合わせて自分を変えて自尊心は二の次だというループを止めないと。

などと、いまモヤモヤと考えているので、今度すすめ団のみんなに相談してみよう。

(なつめ)

2024年1月21日日曜日

第2回制服のあり方検討委員会リポート(後編)

 (前編よりつづく)

さて、みなさんの意見が出たところで議長から、どういう議論をしていきましょうか、という投げかけがありました。

基本的に制服については各学校で決めることが基本。制服は学校の歩んできた歴史も色濃く反映していて、校則や制服は委員会発足の前から各学校で進めていることもあり、それは尊重する必要がある。ある学校で「白ソックス廃止」になったとき、いったん百花繚乱になったがだんだん落ち着いたという。私見だが制服も同様の経緯を辿るといいと思う。

各学校で議論を進めるのが基本で、検討委員会は、やっていること自体に意義があり、一定のルールを決めて押し付けるのではなく方向性を示していくのはどうだろうか。制服を存続するとか廃止するという議論はぬいて、不登校の生徒やジェンダーの問題を知らしめたり考えたりするための材料を示すことができるのではないか。といった投げかけでした。


それに対して夏目から「ここでの議論が生徒や先生に届かないと意味がない」と話したところ、ほかの有識者から「掛川市の例のようにわかりやすい資料があるとよい」(※袋井市もある)と話し、議長も「より多く、伝えやすい形でやっていく必要がある」と話しました。ほかに「私服の日を設けたら考える機会になると思う」という意見や、夏目からは「各学校に委ねたら制服の統一は難しいのでは」などの意見が出ました。

他にも「就学援助について知られているのか?」と質問があり、教育委員会から「全学年保護者に制度については一斉配信している」と回答がありました。

最後に、学識経験者の意見を聞きます。

学識経験者|この会は「制服」を決めるのではなく、「標準服」を考える場なだと思った。どの範囲で標準服を決めるか、という議論をしていけばいいのではないか。(標準服って?→)制服は絶対に着なければいけないもので、標準服は、それに似たようなものなら着ていって良い、着なくてもいい、標準からはずれてもよい、というものだ。

学識経験者|制服あるなしの両極端ではなく、混乱が起きないようにすることが検討委員会の役割。統一制服は多様性の両立ありき。統一の制服になると学校のアイデンティティはどうなるのか。基本的なものは同じでバッヂをつけるとか。

まとめとして議長より、

第3回の検討委員会では、柱立てをして議論をしていく、という話がありました。


会の終了後、議事録に掲載されることを確認したのち、改めて、鈴木げんさんと夏目から意見を出しました。

<鈴木げんさん>トランスジェンダーの子どもたちにとって制服が強制されることが耐え難い。苦しい子に「許可している」というのは決定的にダメ。「性自認」とは、「ある人が深く感じている、内的かつ個人的な性別についての経験」(ジョグジャカルタ原則)である。性自認は「自分がそう思っているだけ」ということではなく、「経験」。※別紙資料あり。

<夏目>アンケートの自由記述をすべて読んだ。小学校4年生から「多様性」「ジェンダー」等の人権意識が育っていることがわかった。また、小学生までは制服に対して期待を持っているが、中学に入ると「個性を尊重してほしい」という意見がかなり多くなり、ジェンダーについての問題意識もかなり強くなる。それが中3になるとパタッとなくなる。昨年改訂された生徒指導提要や、今年度施行された「こども基本法」、12月22日閣議決定された「こども大綱」の遵守ができていないのでは。※別紙資料あり

最後に議長から、「子どもだと思っていたが、論点をすでに彼らが持っている。子どもが何を考えているかを中心にすることも大事。第3回は、3月を予定しているが年度をまたいでしまうかもしれない。」と話され、閉会しました。後日教育委員会に議事録が公開されます。正式な記録はそちらをみてね!




第2回制服のあり方検討委員会リポート(前編)

NHKニュースサイトより転載

 12月27日に第2回の制服のあり方検討委員会が開催されました。

まずは、9月10月に行った児童生徒と保護者に向けたアンケートの結果について、教育委員会事務局から報告。

小学校の4年生~6年生の約96%、中学生の83%、そして保護者の57%の回答があり、全6万人近くが回答したとのこと。しかもそのうち自由記述が小中学生各3000件、保護者6000件寄せられて、関心の高さが伺えました。

アンケート結果と議事録については後日正式な資料が公開されるので、ここでは各委員や有識者の意見を紹介していきます。

学識経験者|アンケート結果としては生徒保護者ともに否定的でないことがわかり、相対的には統一した制服を望んでいること、実用的でないこと、圧倒的に値段が高いことがわかった。制服が動きやすいなら校内着はいらないかもしれない。

学識経験者|フォーマルな場で着られないかもしれないがジャージにしたらどうか?ユニセックスだし自由度が高い。1回目の議論でも出た「制服って何なのか?」ということが問題で、制服がアイデンティティと結びつくから、ジェンダーの問題になり、学校としてのアイデンティティも絡んでくる。

有識者|まずは回答率の高さにびっくりした、これだけ不満があってよくここまで我慢していましたね!という感想。アンケートでは制服のサブスクという提案もあり、そういう新しいシステムがあってもいい。また、着替えた制服を置く場所がないなんて、会社ではあり得ない。今すぐにも解消できる。

有識者|すごく高い、いまスーツのほうが安い。

<ミライ制服すすめ団・夏目>(別紙で意見を用意していたものの「あとで話す場を設ける」とのことだったので、とりあえず)小学生までは制服を楽しみにしている子が多いのに、中学になったら着たくない方が圧倒的に多くなる。

有識者|後で詳しくお話するが、制服を着たくないという生徒が72%もいて、トランスジェンダーの子で制服が楽しみという子はひとりもいない。

さて、今回は有識者だけでなく委員の先生方からも意見がありました。

委員|中学生は社会に出る子どもがオトナになる前の準備段階として、大人になるとフォーマルな場面があることを学んでいる。(ほかに自校の制服改善の内容について。)

委員|子どもたちは中学校の制服にあこがれていて、新しい制服が校内に展示された時には子どもたちはキラッキラの目で見ていた。

委員|校則の意義を説明できないものはないか学校に呼び掛け、各学級や生徒会、運営協議会等で話し合い、9月までに全中学校で校則の公開が実現した。制服があったほうがいいという声が多いが、なくてもよいという子がいることも忘れずにおきたい。そもそも「生徒からの要望、提案がない」と学校からのアンケート回答にあったが、これまで聞こうとしてこなかったのが現状だった。

委員|70%も「あったほうがいい」という意見があったことが意外だった。制服がある小学校の「経済的である」という意見が31%であった、2割ぐらいの人が「悩まなくていい」という回答だったことは参考になった。

後編につづく)

中学生のみなさんへ